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Hiromoto Toeda Archive
戸枝 陽基(とえだ ひろもと)ワールドへようこそ。
時間の許す限り。ごゆるりとお立ち寄り下さいね。

もう施設には帰らない 2


知的障害のある人の地域生活のために必要なもの
   

ホームヘルプ・ガイドヘルプ


高齢者のホームヘルプの支援は、食事や入浴、排泄など、要介護者が居宅での日常生活を営む場面に必要な支援に限られています。それに対して、障害のある方のホームヘルプは、居宅での支援のみならず、社会参加活動への支援が認められています。
 支援費制度移行後は、今まで利用が認められていなかった、中軽度の知的障害者や十八歳以下の子どもも社会参加活動への支援の利用が認められるなど、利用対象者と内容が緩和されました。その結果、夏休みに障害のある子どもがプールや公園に行ったり、中軽度の知的障害のある成人の方が、本人会活動へ参加するための付き添いを受けたりすることが可能になりました。しかし、高齢福祉関係者から、介護保険で認められていない支援が、なぜ障害のある方にだけ認められるのかという声が出ています。子育て支援関係者からも、プールや公園にヘルパーに連れて行って欲しいという要望は、障害のない子どもの家庭でもたくさんあるのにという声を聞くようになりました。支援費制度の支給申請においても同様の考えから、「介護保険との整合性がとれない」「育児は家庭の責任だ」などと言われ、社会参加活動への支援が認められないといったことが全国的に起こりました。
 違うのです。放課後や休日の原っぱに自分の力で駆け出すことのできない障害のある子ども達は、そのためにストレスを溜め、遊びを通しての学びの機会を失い、もって生まれた障害が何倍にも大きくなります。大人になってからも、必要な支援があれば、きちんと社会参加し、一市民としての役割を果たすことができるのに、その機会すら今まで保障されて来なかったのです。
 障害があるとしても、環境を整えることで、もって生まれた能力を最大限に発揮できるようにする支援。障害支援では、「自己実現を支える支援」が重要なのです。障害のある方のホームヘルプは、そういった意味で、家族支援というより、より本人支援という側面が強いサービスです。また、そう考えたとき、その活動の場所は、自然と、居宅から地域社会へと移って行きます。
 ノーマライゼーションの実現を日本の福祉が本気で目指しているとしたら、障害、老人、児童などの分け隔てなく、「生きにくさ」を感じている人に、生活の質の保証も含めた支援が届くようにする必要があります。障害のある方のホームヘルプは、そういったことを街の中で、視覚的に市民に提供できる実践であるという意義を大切にしたいと思います。
(NPO法人ふわり理事長 戸枝陽基)



 編者/「10万人のためのグループホームを!」実行委員会
 発行者/荘村 多加志
 発行所/中央法規出版株式会社
 2003年9月15日発行  
 定価1600円
                   も く じ
はじめに

家族の手記*1
このまま地域で暮らしたい。そのためにはたくさんの「ひと」が必要です *9
 /矢代ゆかり
コーディネーターからの手紙
利用者がその日の天気や気分で、一日の暮らし方を決めれるようにしたい *16
  /松坂 優

家族の手記*2
エキスパートの力で生活が変わった *21
  /清水 佐登子
コーディネーターからの手紙
「まひるのほし」の輝く姿にもっと気づかせる。そのために働いていきたい *29
  /小林 彰

家族の手記*3
仕組みを「使えるもの」にする存在が必要です *35
  /長居 由子
コーディネーターからの手紙
「障害」とか「地域」とか言わなくても済む時代になるようにしたい *42
  /高橋 淳子

家族の手記*4
ピンチを救ってくれたヘルパーさんの外出支援 *50
  /富田 守
コーディネーターからの手紙
ご本人や家族からの声を直接聞いてもらうことで地域を変える *58
  /傍島 規子

家族からの手紙*5
母親も生活を普通に楽しめる。そのための支援がほしい *63
  /古山 雅子
コーディネーターからの手紙
「相手合わせ」で育ててもらった5年間 *71
  /渋沢 茂

家族の手記*6
みんなで一緒に遊ぼう! *75
  /土田 恵子
コーディネーターからの手紙
同じ思いの一人ひとりがつながり合おう *83
  /渋沢 茂

家族の手記*7
重い障害があっても「生きているっていいものだ」と思ってほしい *88
  /吉岡 順子
コーディネーターからの手紙
コーディネーターは入所施設の盾になる *96
  /市川 知恵子

家族の手記*8
離島で重度の障害児が暮らしていくということ *100
  /下地 悦子
コーディネーターからの手紙
社会資源の少ない中でいかにして「安心」を実現するか *110
  /津嘉山 航

家族の手記*9
娘が親から離れていく手伝いをしたい *117
  /瀬川 鞠子
コーディネーターからの手紙
「舞台設定」に走り回るプロデューサーとして *124
  /山田 優

家族の手記*10
当たり前の親子として地域で生きていきたい *128
  /燕 信子
コーディネーターからの手紙
親子の「タイマンのけんか」を叶えるサービスを提供したい *135
  /大久保 薫

家族の手記*11
「お母さん、大丈夫よ」と言ってくれたコーディネーター *141
  /浜田 聖美
コーディネーターからの手紙
まちで暮らしたいと思っている人が、暮らしやすくなるようにしていきたい *147
  /疋田 秀美

家族の手記*12
親子分離した生活を親が元気なうちに実現させたい *151
  /斉藤 三千子
コーディネーターからの手紙
「こういう暮らしがしたい」という本音が叶えられるようにしたい *159
  /内田 常子

家族の手記*13
外へ出たがらなかった妹が、いきいきと暮らすようになった *164
  /柴田 恵美子
コーディネーターからの手紙
「まちで育つ・まちで暮らす」のお手伝いをしていきたい *171
  /森 千春

家族の手記*14
地域で暮らしたいと願い続けて *176
  /風間 俊彦
コーディネーターからの手紙
ごく自然に社会の中で生活するためのお手伝いを *182
  /佐藤 和博

家族の手記*15
この子たちと地域で暮らしたい *187
  /伊藤 ケイ
コーディネーターからの手紙
地域の中で、その人らしく生きるためのサポートを *194
  /松岡 靜久

コラム
1*コーディネーター[福岡 寿]*34
2*グループホーム[室津 滋樹]*62
3*レスパイトサービス[根来 正博]*87
4*ホームヘルプ・ガイドヘルプ[戸枝 陽基]*116
5*ショートステイ[宮代 隆治]*140
6*デイサービス[廣瀬 明彦]*163
7*権利擁護[野沢 和弘]*186






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